こころの声を綴って ー場面緘黙症と歩む日々ー

場面緘黙症を含めた不安障害とうつ病、SEKAI NO OWARIについてなどを書いていきます。

2026-01-01から1年間の記事一覧

救われた音の記憶 #16 『Fanfare』

こんにちは。架空のラジオ番組、「救われた音の記憶」のお時間です。 このコーナーでは、毎回一つ、私が様々な病と闘う中で出会い、救われた楽曲などを紹介します。 今回のゲストは、TWICEの「Fanfare」。 19歳の私から、お便りが届いています。 うつ病で大…

高校時代のお守り

高校生の時、沖縄に修学旅行に行った際、美ら海水族館で担任の菊池先生にカメのぬいぐるみキーホルダーを買っていただいた。クラスメイトだった響ちゃんたちと、お揃いのキーホルダーだ。 私は修学旅行から帰って来てから、ずっと通学用の鞄にそのキーホルダ…

苦しい時の過ごし方

うつ病でどうしようもなく苦しんでいた時、藁にも縋る思いで色々なことを試した。 緊張しながら鍼やお灸治療に行き、カイロプラクティックに行き、整体に行き、ヘッドマッサージも受けた。著名な精神科医が書いた本をいくつも母が買って、調べてくれて、「い…

休学

後期が始まっても、私の大学生活は停滞していた。 履修登録はしたものの、いざ授業がある日の朝になると動けない。今から電車に乗って、大学に向かう。大学に向かう。そのことが、言ってしまえばそのことだけが、涙が出るほど怖くてたまらなかった。 それで…

独りじゃなかった文化祭

文化祭の朝は、父が車で高校まで送ってくれた。 くじ引きの接客は男女でローテーションすることに決めて、女子は法被のようなものを来て先に接客することになった。お店の奥には、景品であるランチボックスやピーラー、おろし金や自転車までもが律儀に並んで…

置き忘れたものを探しに

大学1年生の秋。後期が始まったが、私は大学に行けなかった。 あの地獄のような前期を越えて、夏休みを経てもなお、傷は癒えなかった。体調も整わず、大学のことを考えるだけで、怖くて涙が止まらない。 さて、私は、どうすればいいのだろうか。 そんな路頭…

できたことしか残らない

みんなと同じ空間の中で、私だけ一人別の時間を過ごしていた。 それは、みんなと同じ教室にいても、グラウンドにいても、見えている世界が違うようだった。その世界には、私一人しかいなかった。 声のない世界。自由に動けない世界。永遠に、何かに縛られ続…

救われた音の記憶 #15 『私が選んだもの』

こんにちは。架空のラジオ番組、「救われた音の記憶」のお時間です。 このコーナーでは、毎回一つ、私が様々な病と闘う中で出会い、救われた楽曲などを紹介します。 今回のゲストは、『ユイカ』の「私が選んだもの」。 19歳の私から、お便りが届いています。…

ブログを始めた理由

ブログを始めることになったきっかけは、深夜の母との会話だった。 不安で眠れない夜。翌日は、妹の高校の体育祭だった。私には楽しめなかった行事を心待ちにする妹を見て、胸がざわざわと不穏な音を立てていた。「大丈夫。私とは、関係のないことだ」と言い…

THIS IS FOR

K-POPアイドルグループ、TWICEのライブに行ったのは、8月の下旬だった。2025年から始まったワールドツアーのタイトルは、「THIS IS FOR」という。 弟の葵はONCE(TWICEのファンネーム)だ。私も、ONCEと公言こそできないものの、TWICEの曲はほとんど知ってい…

インスタの葛藤

大学の夏休みが始まって最初にやったことは、人生で初めてのアフタヌーンティーに行くことだった。 電車に乗って、都会に出る。母と、妹の蘭との3人だった。 アフタヌーンティーでは蘭の指示のもとたくさん写真を撮った。これじゃあまるで、食事よりも写真…

最後の家族旅行

大学4年生の兄は、来年から就職する。そして同時に、一人暮らしを始める。 14年間、この6人家族で生きていた私にとって、それはとても寂しい現実だった。 夏休みに、私たちは最後の家族旅行だと覚悟して京都に行った。 私の体調のこともあり、新幹線や飛行…

体重との闘い

高校3年生の冬頃から、体重は増えていく一方だった。 飲んでいる薬の副作用で、息をしているだけで太っていく。それに多大なストレスを感じながらも、健康を優先するほかなかった。決してカロリーの高いものばかり食べていたわけじゃないし、むしろ食事には…

前期終了

前期のラストスパートは、もう生きた心地がしていなかった。 自分の力で登校できる元気もなく、父に車で送迎してもらうことが多くなっていた。 月曜日。中国語のテストを受けた。再履修というペナルティーに怯え、働かない頭に無理やり詰め込んだ知識は、ほ…

救われた音の記憶 #14『深海魚』

こんにちは。架空のラジオ番組、「救われた音の記憶」のお時間です。 このコーナーでは、毎回一つ、私が様々な病と闘う中で出会い、救われた楽曲などを紹介します。 今回のゲストは、SEKAI NO OWARIの「深海魚」。 19歳の私から、お便りが届いています。 オ…

麻辣湯とかき氷

高校時代の友人、響ちゃんに「麻辣湯食べに行こう」と誘われたのは、生きることに限界を感じていた頃だった。生きていく気力もなかった私だったけれど、久々の友達からの誘いに少し心が躍った。響ちゃんとだったら遊べるかもしれないと思い、自分を奮い立た…

自殺未遂

※自傷・自殺に関する表現が含まれます。 大学に行き、勇気と元気を使い果たして、課題に追われる日々。逃げたくても、どうしても、逃げられなかった。進む勇気も、逃げる勇気も、持ち合わせていなかったのだ。 絶望的に、思った。こんな日々が、いつまで続く…

遺書

私は高校生の頃、遺書を書いた。 気を抜けば、ふらふらと死の方へ傾いてしまいそうな時期だった。 いつ終わっても後悔しないように——そう言えば聞こえはいいけれど、実際は、踏ん張る力がもう残っていなかったのだと思う。 もう死んでもいいや。 それは衝動…

消えたいんじゃなくて、死にたい

SNSには、同じような病気と闘っている同志たちがたくさんいる。 彼らは現実の苦しみをネット上で吐き出していた。その多くが、『泡のように消えてなくなりたい』というものだった。 彼らの思考や絶望に共感していた私だったけれど、それだけは共感できなかっ…

大学に入学して2か月近く。私は、歩くのが難しくなった。 どうしても、脚に力が入らないのだ。薬の副作用でふらふらして、体から力が抜けていく。 大学の帰り、最寄り駅まで帰ったものの、駅の構内に蹲って、動けなくなってしまった日があった。母に連絡をし…

会えなくなるから

『何がそんなに苦しいの』 高校時代の担任である菊池先生と連絡を取っていた時、つい苦しみを漏らしてしまった。大学が苦しいと嘆く私に、先生はそう訊いた。 一日中、「苦しい、苦しい」と思っていた。それは偽りのない事実だ。でも、いざ「何が」と問われ…

救われた音の記憶 #13『サザンカ』

こんにちは。架空のラジオ番組、「救われた音の記憶」のお時間です。 このコーナーでは、毎回一つ、私が様々な病と闘う中で出会い、救われた楽曲などを紹介します。 今回のゲストは、SEKAI NO OWARIの「サザンカ」。 18歳の私から、お便りが届いています。 …

マイクとシーサーと車椅子

「はい、もっと大きな声で」 広い教室の隅で、私にマイクが向けられた。 私は数秒間凍り付いた。 韓国語の授業中だった。 先生がマイクを持って、発音の確認に教室を回る。一人一人にマイクを向け、上手くできたら次の子に移る。 指定された単語を一度読んだ…

助けを求め損ねた日

多子家庭の奨学金をもらうため、高校まで成績の記載された調査書を受け取りに行った。 つい1か月近く前までいたはずの高校に、私服でメイクをして行くのは新鮮だった。菊池先生や斎藤先生に会い、近況について話す。大学が負担になっていることも伝えられた…

『問題児』を脱却するまで

「問題児」という言葉を初めて知ったのはいつだろう。 少なくとも、私は問題児だった。病気という問題を抱えた子供。特別な支援が必要な子供。小学生の時からそうだった。知らず知らずのうちに背中に貼られた「問題児」というレッテルは、自分の力では剥がす…

保健室に落ちた涙

F大学の保健室には、常にゆったりとしたオルゴールが流れている。歌詞がないので印象がだいぶ違うけれど、よく耳を澄ませるとサザンオールスターズだったり、MISIAだったりした。 「こころさん、ちょっと開けるよ」 ベッドの外から、保健室の先生の声がする…

止まることが怖かった

春休みの間、少し休息の時間が取れたことで、うつは以前に比べてよくなっていた。少なくとも、一日中唸っているような生活ではない。 でも大学に入学し、オリエンテーションや授業が始まり、徐々に余裕を失っていった。こんな状態で大学生活を送るのなんて無…

Welcome day

数日間のオリエンテーションが終わると、「新入生Welcome day」という日が設定されていた。学籍番号順に割り当てられた教室表を両手に、まるで初めてのおつかいのような不安を抱えて、何とか指定された教室までたどり着いた。 教員も交えたアイスブレイク、…

救われた音の記憶 #12 『ダーリン』

こんにちは。架空のラジオ番組、「救われた音の記憶」のお時間です。 このコーナーでは、毎回一つ、私が様々な病と闘う中で出会い、救われた楽曲などを紹介します。 今回のゲストは、Mrs. GREEN APPLEの「ダーリン」。 18歳の私から、お便りが届いています。…

居場所を失って

入学式の翌日から、オリエンテーションが始まった。一日中新生活の手ほどきを受ける。ひたすら覚えようとするけれど、疲労に比例して何も頭に入って来なくなる。ダメだ、ダメだ。メモを取れ。私は容赦なく進んでいくスライドに書いてある文字を必死でメモ帳…