
席替えをした。縦横5列に並んだ机たち。同じ教室の中でも、少し席が変わるだけで、全く違う景色を見ているようだった。
私の新しい席は、前から3列目。
ただ、ここで一つ問題がある。3列目の子たちはみんな、班を作る時に隣の子と別れなければいけない。例えば、右の子が前の班なら、左の子は後ろの班、というように。それを決めるのは先生で、特に意味も感じさせないランダムだった。
先生が教室の端から、3列目の子たちを前の班と後ろの班に分けている。私たちの列に先生が来て初めて、後ろの方から些細な気配がした。
私の列の一番後ろの子が、何かを願うように指を組んでいる。その眼差しは、先生へと向いていた。小さく、「お願い、お願い」という声が漏れ聞こえている。
先生がちらっと彼女を見て、仕方ないなぁというように、私の隣の席の子を後ろの班へ回した。
その途端、一番後ろの席の彼女が、「やったー!」と無邪気に喜ぶ声が教室中に響いた。
ああ。
その時になって、私は初めて理解した。
そうか、あの子は、私の隣の席の子と同じ班になりたかったんだ。確かに彼女たちは普段から仲良しだ。クラスから浮いている私なんかよりずっと、その子と同じ班になりたかったのだろう。
当然のことだった。仲良しの子と、同じ班になりたいなんて。彼女が喜んでいるのは、私が違う班になったからじゃない。隣の席の子が、同じ班になったからなのだ。
でも、真剣に祈るあの姿を思い出して、居心地が悪くなった。仕方のないことだとはいえ、悪意が全くなかったとはいえ、私は、ただ悲しかった。その悲しみを、誰にも気付かれないようにそっと、机の中にしまい込んだ。