こころの声を綴って ー場面緘黙症と歩む日々ー

場面緘黙症を含めた不安障害とうつ病、SEKAI NO OWARIについてなどを書いていきます。

不登校児に逆戻りして

 毎日、家族の生活をただ呆然と見ていると、自分の無力さを痛感した。朝、慌ただしく支度をすませ、登校していくきょうだいたち。彼らを見送りながら、私だけ家に残る日が続いた。

 

 教室に入れなくなっても、全く学校に行かなくていいわけじゃない。少なくとも私の場合は、担任の先生に呼ばれて、月に1回ほど相談室に登校していた。

 登校しなければいけない時は、必ず母がついてきてくれた。母がついてきてくれないと、外に出られなくなっていた。昇降口じゃなく、職員玄関から入って、相談室で数十分、担任の先生と会う。決して他の生徒たちと鉢合わせることがないように、厳重に注意をしながら、忍者のようにささっと移動して。

 その登校日は、テストを返されたり、溜まっていたプリントを受け取ったりするだけだった。それでも、学校にいる人たちが怖くて、行きたくなかった。私が逃げて来たあの場所に、今もまだたくさんの知り合いがいる。彼らの中で、私がどう思われているのかはわからない。笑われているかもしれない。忘れられているのかもしれない。心配されている様子は、どうしても想像できなかった。実際、学校に行けなくなってから、誰からも連絡が来ていない。

 

 月に1回ほど、母と学校に行く。それも、相談室に数十分。

 不登校児に逆戻りし、私の日常は、『こっち』になってしまった。

 変われるかもしれないチャンスを、自らの手で潰した自分が許せなかった。

 

 当時の日記には、現状を悲嘆するように、こう書かれていた。

『私、成長したと思ってたんだ。だって、話しかけられたら、不自然だったかもしれないけどちゃんと応えていたし、電話にだって出られるようになったし、結局上手くできなかったけど部活だってやったし、体育祭にも出たし、日直だってやったし、友達、結構できたのに』