こころの声を綴って ー場面緘黙症と歩む日々ー

場面緘黙症を含めた不安障害とうつ病、SEKAI NO OWARIについてなどを書いていきます。

トイレから出られない

 2年生になった私は、なかなかクラスに馴染めていなかった。やはり、話せないというだけで、「普通」にはなれない。話せない私は空気のようで、自分が「ここ」にいるという感覚が、失われていくばかりだった。

 学校に行くのが、怖くなっていた。でも今度こそ、逃げ出したらダメだから。ずっと逃げて来たんだから、今度こそちゃんと闘うって決めたんだから。大丈夫。私はちゃんとここにいる。

 透明にならないように、必死に「ここ」にしがみつくように、自分の両手を見つめる。

 そうは思っても、みんなが笑っている。私とは無関係のことなのに、そのすべての時間が苦しかった。教室に戻ると思うと、怖くてトイレから出られなくなってしまった。

 お昼休みが終わって、4時間目が始まって、5時間目が始まって、終わるまで。2時間以上を、ただ一人トイレの中で過ごしていた。何度も鍵を開けて、しゃがんで、立ち上がって、廊下に繋がる扉を開けようとドアノブに手をかける。でも、どうしても怖くて、そこから先に進まない。それは、お昼休みを過ぎるとなおさらハードルが上がった。授業中に教室に入ったら、みんなの注目を浴びるからだ。

 ただただ、あの場が怖い。うるさくて、悪口ばかりで、耳を塞ぎたくなるような場所。

 わかっていたはずだった。それが教室だと。

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