
こんにちは。架空のラジオ番組、「救われた音の記憶」のお時間です。
このコーナーでは、毎回一つ、私が様々な病と闘う中で出会い、救われた楽曲などを紹介します。
今回のゲストは、MISAMOの「Bouquet」。
18歳の私から、お便りが届いています。
私が生きていたのは、いずれ「過去」になることが信じられないような「今」でした。「今」が永遠に続く気さえして、その中を生きるのが苦しかったのです。
でも、未来の自分からの手紙のようなこの曲の歌詞が、少しだけ目の前に広がる「未来」を照らしてくれました。
『もし時間が戻って あの日の私に会えたら そっと抱きしめてあげよう
What will be will be, baby(どんな未来が待ってるのかな)』
『自分を好きになれなくて 期待通りにできなくて
涙で潤んだ世界で あなたを好きになれた』
『笑顔は作れなくても it will be fine(大丈夫)
心が笑えるようになろう』
場面緘黙症の私は、意思に反していつでも無表情でした。まるで、何も感じていない、考えていないかのように。
でも本当は心の中では、たくさんのことを感じ取り、考え続けていました。本当に、たくさんのことを。
私も、笑えるようになりたい。
何年も、抱え続けた願いです。みんなに当たり前に備わっていることを願うのは、とても空しいものでした。
世の中に溢れている歌詞は「笑おう」というのが一般的で、「笑顔が作れなくてもいい」というこの言葉には、笑えない私を肯定してもらったような気分でした。
『このままでいいの 私のままでいいの だから無理はしないよ
ダメな自分も好きになれる日まで
泣いてばかりの日々なら 優しい心が 育って 誰かを救えるはず
そっと震える足で立って 信じる先へ 大丈夫 未来で笑っているから
つまずいた石を並べて 磨こう 光るよ
輝く 宝石(いし)になるよ』
変わらなきゃいけない。ずっとそう思って生きてきました。このままの自分では、社会的に生きていくことができないことがわかっていたから。
変わらなきゃいけない。そう焦るばかりの日々の中で出会ったこの歌詞には、泣きたいほどの優しさがこもっていました。
私はまだ、「このままでいいの」とは言い切れず、「このままでいいの?」「私のままでいいの?」という疑問形だったけれど、その答えを求めるように、この曲を聴きました。そこには、いつでも「このままでいいの」「私のままでいいの」と言い切ってくれる言葉がありました。
『ありがとう きっと 一人じゃなくて ずっと
あなたがそばにいたから 過去の自分も好きになれる気がする
楽しいだけの日々なら 傷負う心に 気付けず 誰も救えなかった
そっと 震える指握って 約束するよ 大丈夫 未来へ届けるから
不揃いな花束ねて 作ろう 世界で 一つの My bouquet』
この曲からは、不完全な「今」を愛す力を教えてもらいました。