
1か月ほど前にハロウィンを終えた世界は、来たるクリスマスに煌めいている。大好きな季節のはずなのに、今の私には何だか、キラキラと点滅するイルミネーションや、希望を纏ったクリスマスツリーが眩しすぎる気がする。幼い頃、自分はクリスマスの中心にいて、それを取り巻く行事や雰囲気を全力で楽しむことができた。それなのに、年を重ねるたびに私は、クリスマスと疎遠になっている。それは別に、サンタの正体を知ったからとか、プレゼントがもらえなくなったからとか、単純に私が大人になったからとか、そんな理由ではないのだろう。
スタバのクリスマス限定メニューに興味はないし、恋人とイルミネーションを見に行く約束もない。街中のどんなクリスマスを見ても、その中に自分が含まれている気がしない。我が家の小さなクリスマスツリーは、私よりも年上の、腰の曲がったおじいちゃんだ。立派で、しゃんと背筋の伸びたクリスマスツリーとは、比べ物にならないほど地味で、どことなくしょんぼりしている。新しいツリーが欲しいと言いながらも、今の私には、クリスマスの足音がする世界の中で、唯一彼だけが味方でいてくれているような気がしている。