
高校生にもなれば、おしゃれに興味を持つ子が増える。校則で禁止されていること。例えばスカートを短くして、髪を染めて、ピアスをつけて、メイクをして登校してくるクラスメイトがたくさんいた。
私は、おしゃれに無頓着だったわけじゃない。むしろ休日はメイクするし、イヤリングは集めるし、綺麗になりたいと感じる気持ちは本物だった。
けれど、そんな私が学校にメイクできない理由は、怒られるのが怖かったからだ。
昔から私は、「いい子」のふりをしてきた。自分に都合が悪くなった時、誰かが庇ってくれると思っていたからだ。
だから、堂々と校則を破るのが怖かった。先生に注意され、嫌われたら、もう二度と学校に行けない気がした。自分に非があることは、理由もすべて言い訳になる。私はどうしても、先生から注意を受けた生徒が「はーい」と受け流すメンタルを真似できなかった。一度言われてしまったら、そこで心が折れる。
意気地なしなのか、ルールに従順な「いい子」だったのかは、受け手によって変わるだろう。きっと、高校1年生の時からバッチリメイクをして、おしゃれに手間や時間は厭わない妹の蘭からすれば、私は意気地なしに見えただろうし、逆に学校の先生からはルールに従順な「いい子」に見えていただろう。
実際、私は意気地なしの「いい子」だったのだと思う。
だから高校生の間、どんなにかわいく思われたいと願っても、一度もメイクをして登校することはできなかった。