こころの声を綴って ー場面緘黙症と歩む日々ー

場面緘黙症を含めた不安障害とうつ病、SEKAI NO OWARIについてなどを書いていきます。

ドラキュラになる

 太陽光が苦手だ。

 それはもちろん日焼けを気にしているのもあったけれど、うつ病の症状が大きかった。

 うつ病は太陽の光を浴びることを物凄く勧められる。自律神経が整うとか、太陽からエネルギーをもらうとか。私はそうした主張を納得のいかない様子で聞いていた。はあ、そんなに大事なことなのだろうか。たかが太陽で。でも主治医の先生も母も、なるべく日を浴びることを私に提案した。

 ただ、うつ病の厄介なところは、症状が酷い時ほど太陽光を避けたくなってしまうところだ。

 太陽を目の前にすると、私はドラキュラになってしまう。

 焼け死にそうなほど、太陽光が痛いのだ。目が開けられない。ひたすらに眩しい。そこに覚えるのは希望ではなく、ただの不快感だった。

 家から追い出されるようにして庭に座り込んで日光浴をしていたけれど、太陽から攻撃されているようにしか感じられない。こんな眩しい光で、私を突き刺すのだ。ああ、痛い、痛い。早く家に戻って、部屋中のカーテンを閉め切りたい。

 きっとうつ病に太陽光が効くのは、事実なのだろう。けれど一番症状が酷い時にそんな提案をされたところで、私はドラキュラになることしかできない。余計太陽が嫌いになるだけだ。

 一見何てことなさそうに見える行為に覚える不快感を他人に説明するのはとても難しかった。すべては相手にとって、逃げる言い訳にしか響かない。何の比喩でもなく本当に太陽光が痛いだなんて、うつ病になるまでは考えたこともなかった。そう言われても、信じることすらできなかったかもしれない。

 でも、もし私がまたドラキュラになる時があったら、その時は無理せずに暗闇の中にいることを許して欲しい。太陽で焼け死にそうになるよりは、淀んだ部屋の中にいる方がよっぽど楽なのだ。

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